【完】私が恋したプリンス*


「那姫は本当に世話の掛かる子ね」



「ごめんなさい…」



そう言った実莉ちゃんは私の反応を見て楽しんでいた。



「そしたら私は先に帰るね」



「うん!じゃあね!」



指定された16時まで時間があったため、教室で時間を潰す。

ほとんどの生徒は帰っていて、教室には私と優人だけ。



唯一、教室に残っている優人まだ寝てるし…

話し相手もいない私はただぼんやりと外を眺めていた。



静かな教室に、静かに響く優人の寝息。

夕日に照らされている優人の髪は光を透して綺麗だ。



そんな優人を眺めていると、あっという間に5分前になっていた。

私は急いで屋上へと向かった。

屋上の扉を開けると、夕日が容赦なく差し込んできて目を思わず瞑ってしまう。



「あ、来た来た」



そして屋上から声が聞こえるが、逆光で誰なのか分からない。

分かるのは…1人じゃない…2人いるということだけ。

< 29 / 307 >

この作品をシェア

pagetop