紙ヒコーキと恋の行方
「佐々木と付き合ってるの?」
塾と学校のクラスが一緒の菜っちゃんに、塾でお昼をとってるときに聞かれた。
「いや、まさか」
いつからか、"佐々木"という名前を聞いただけで、私の心臓は飛び出しそうなほどの反応を示すようになってしまったらしい。
ストローで飲んでいたジュースを、吐き出しそうになってしまった。
それを見て、菜っちゃんは吹き出す。いや、笑い事じゃないんですよ。菜っちゃん!
でも、佐々木は、けっこう塾でも他の女の子とも親しげに話すのを見るから、
私もその中の一人にしか過ぎないんじゃないかと思う。
私を送ってくれるのも、他の子は夜遅くになればちゃんと塾まで車で迎えに来てもらえるから。
それが私には、ないからのことなんだろうと。
「でも最近仲いいでしょ?」
「それは、佐々木がけっこう誰とでも話すキャラだから」
「佐々木、けっこうモテますよ?」
「……」