美男子の恋事情!

俺の睨みに全く動じてない様子の拓真は、「あ!おせぇよ」と俺の後方に目を移す。



「ああ、悪い。セイラが電車乗り間違えたんだよ」



振り返ると、そこには他校生の女子と、その子を見たこともないような優しい笑顔で見つめる海生の姿があった。



「まさか……海生もグル?」


「グルって、その言い方なんかひでぇ。なぁ?海生?」


「大ちゃん、ごめん。今回は拓真の話に乗った」



ああ、何となくわかってきたわ。


こいつら俺らを嵌めたわけね。



「はぁ……拓真。今日春香と遊ぶんじゃなかったのか?」


「まぁね。最初はその予定だったんだけど……俺、もう優奈以外の女と遊ぶのやめたんだ。近衛は気の合う友達だけどさ、優奈を悲しませることはしたくないし」



そう言って、拓真が霧島の頭をぽんぽんっと撫でると、霧島は嬉しそうにはにかんだ。



「んで、今日は海生のとこと初のWデートってわけ。だけど、やっぱ近衛のことも心配だし?近衛と大ちゃんは一度腹割って話した方がいいと思ってさ。海生にも手伝ってもらって仕掛けたっつーこと」



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