美男子の恋事情!
一年前、傘を返したあの公園のベンチに腰を下ろす。
あの時と同じように、二人して息を上げておかしくて笑う。
違うのは二人の距離と、未だ繋いだままの手。
「昨日はごめん。応援来てくれたのに嫌な思いさせちゃったな」
「ううん。あれも私の勘違いだったんでしょ?それがわかったからもういいの」
「海生君って意外とシャイだったんだね」と嬉しそうに笑う春川さんに、苦笑いするしかない俺。
情けねぇな。
最初ぐらい格好付けたいのに。
でも、まぁいいか。
春川さんの笑顔を見れるならそれはそれで。
「私、硬派な海生君も好きだけど、シャイな海生君も好きだよ」
春川さんは、えへへ、と真っ白い頬を赤く染める。
はぁ…なんでこんな一々可愛いわけ?
こんなんじゃ俺の心臓、いくつあっても足らねぇし。
俯いて、抱き締めたい衝動に駆られた自分をグッと抑える。
初日からがっついたら駄目だ。
我慢しろ、俺。
そう言い聞かせるけど……