美男子の恋事情!

だけど、それは拓真の思い違いだ。



櫻川テニス部では海生が一番手で拓真が二番手だが、高校生の中で拓真だって相当上のレベルだ。


今回の関東予選シングルス準決勝で破れて、惜しくも全国大会出場を逃したが関東地区四強。恥じることはない。



それに加え、櫻川高校はそれなりに偏差値も高い。


スポーツ推薦で二人は入学したけど、二人ともテストの順位は常に上にいる。


運動神経だって悪くない。


お調子者でヘラヘラしてるように見えるが、視野が広くちゃんと周りを見てる。


様子がおかしい奴には声を掛け、問題が起これば瞬時に対応し一番良い形に収める。


海生みたいにカリスマ性はないかもしれないが、統率力は海生よりもある。


俺はそんな拓真を信頼しているし、最高の部長だと思ってる。



海生もそれを伝えたいんだろう。


俺よりも、海生が一番拓真の能力に魅入られてるはずだから。


拓真は凄い奴なのに、自分をずっと卑下し続けるなんて悲しすぎる。



「ただの当て馬なら誰もついていかない。部員全員が満場一致で拓真を部長にしたんだ。自信持てよ」



海生の言葉に、拓真は驚きの表情を見せた後嬉しそうに頬を緩めた。



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