【完】わたしの恋のキューピッド

真司先輩に止めて欲しかったのかな・・・
真司先輩に一緒に廻ろうって言ってほしかったのかな・・・

バカ・・・


さっきの蓮の口パクが蘇る。

そうだよ・・・私はバカだよ！
引き留めて欲しいなんて、
図々しい考えを持った大バカ者ですよ！


いつの間にか私は泣いていた、
涙が出ていた、今度は声も出そうだった。


「蓮を・・・探さなきゃ・・・」


このまま家に帰ることもできたのに、
私は無性に蓮に会いたくなった。


「れ・・・ん・・・」


もう声が出る限界だった。


「う・・・うぅ・・・」


こんなところで声を出して泣いたら、
人に見られちゃうのに・・・


すると、いきなり誰かが私を抱きしめた。

蓮だった・・・。