ほたるの初恋、消えた記憶
高い木の上で何かを見ているけど、写真なのだろうか。


これはラベンダー畑にいる男の子とお母さん。


北海道の富良野のラベンダー畑。


《きれいだね。》


《母さんと富良野に行った時の写真だよ。》


《ラベンダーって香りがするの。》


《癒されるよ。》


《行きたいな。》


《今度の夏休みに一緒に行こうか。》


《うん、行けるといいな。》


あなたが祐吾なんだね。


東京から来た宮東祐吾は可愛い男の子で、幼稚園の人気ものだった。

みんな友達になりたくて近づくけど、祐吾は誰とも仲良くしないと言う。


どうして友達になりたくて、毎日祐吾の家に押しかけたら、根負けした祐吾が私を家に入れてくれたんだ。


ほたるは特別だからと、言って。


毎日たくさん遊んで、泥んこ遊びを教えてると、祐吾のお母さんが驚いたのを思い出した。


祐吾、祐吾を思い出したよ。


あの可愛い男の子が祐吾たったんだね。


必ず又会いに来ると約束したことも思い出したよ。


10年前のあの日、祐吾はお母さんと東京へ戻らないといけなくなった。


【必ずほたるのいる町に戻ってくるから、まっててね。】


必ず帰ってきてほしいと伝えたくて、雨の中祐吾の後をおったけど、追い付く訳なんかないのに。


ごめんね、祐吾。


いつもむちゃくちゃな事ばかりして。


祐吾は何処にいるの?


祐吾を探さなきゃ。










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