ほたるの初恋、消えた記憶
おはよう祐吾と言おうとしたら、先ず顔を洗いなさいと言われた。


ぼさぼさ髪も直して、これで大丈夫。


椅子に座り、食べようとすると睨まれた。


みんなが揃ってからだそうです。


祖父母、両親、弟たちが揃って、おはようといただきますの挨拶をした。


「ほたる、祐吾君卒業おめでとう。今日の卒業式はみんなで行くから。」


民宿はどうするの?


平日でお客様はいないけど。


午前中は休みにしたと、父さんがさらっと言う。


民宿を休んで家族で卒業式へ行くと言うの。


祐吾は嬉しいです。


ありがとうございますと言ったけど。


恥ずかしい過ぎるよ。


「兄さんと姉さんも来るよ。」


良かったね、祐吾。


「今日はほたると祐吾君の卒業祝いと、祐吾君がうちに就職したお祝いをかねてしようと思ってるから。」


健斗と美幸も来るらしいし、楽しくなりそうだな。


美幸と健斗は県外の大学へ行く事が決まってるし、しばらく会えない。


祐吾には秘密だけど、祐吾の父親に手紙を書いた。


卒業式に来てあげてくださいと。


来る可能性は低いけど、駄目元で。


祐吾には話してない。


だって親子だから、分かり合えない訳はないと思う。


祐吾には絶対秘密にしないと。


祐吾だって本当は父親とこのままで良いとは思ってないはずだから。










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