*武士の花*~花は桜木、人は武士~
新選組が幕臣に取り立てられ


屯所が不動堂村に移転してから少しして



七夕




最近では、女姿でも堂々と町を歩ける

やっと、七重に戻ることが出来た

椿から、指導されて言葉遣いも

なかなか女らしくなった


「渉…」


川に来て、ひとり呟く


ダメダメ!!泣くもんか!!


昼夜、働き疲れていたから

少し横になろうと思った










   


気がついたら、見知らぬ天井

しまった……



よかった!!着物は、着てる!!

オロオロしながら、布団を畳む



何でこんなに警戒心ないんだろ…



!!! 誰か来る……


スーーー


?「おや?お目覚めかい?」


素早く頭を下げ


渉「ご迷惑をおかけしました!!」

?「そんなに、かしこまらなくていいさ
川原で倒れていたから、勝手に連れてきたんだ!驚いただろう?」

渉「はい…すみません
疲れていたみたいで…ありがとうございます!!私、七重と申します!」

?「私は、慶喜だ」

渉「慶喜様?将軍様と同じ名前ですね?」

慶「はははっ そうだな!七重は、なぜ川原にいた?」

渉「今日は、七夕だから…お願い事を!」

慶「そうか、七夕であったか」


普通のお召し物、普通のお屋敷

だけど……この人からは、気品が漂う


まさか……ね?




渉「私、そろそろお暇致します」





帰りの籠まで出してくれた

途中で倒れたら困るんだって

寝てただけなんだけどなぁ



慶「また、話をしよう!!」



子供のように、無邪気な人だった

また、話をしたい

俺もそう思った
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