*武士の花*~花は桜木、人は武士~
ちょっと散歩のつもりが、暗くなり

家に戻ると布団が敷いてある


ひとつだけ


七「私…床で大丈夫だから!」

土「一緒に寝るぞ!」


ずいぶん目をキョロキョロさせてから
頬を赤くして、近づいてきた

逃げないように、掴まえて

灯りを消す

一緒に布団に入るが、背中合わせでも狭い



土「寒くねぇか?」

七「……はい」

震えているクセに……

ゴロン  ゴロン

向かい合わせにして

ぎゅっと抱きしめると

七「あったかい…土方さん便利ですね」

目が暗闇に慣れたから、笑った顔がわかる

引き寄せ口づけをする

警戒心が復活したらしく、暴れる

本当……思い通りにいかねぇなぁ

七「心臓が止まるから!!」

カチコチに体を強ばらせ、抵抗する

土「嫌なら、やめる」

そう言うと

七「嫌じゃ……ない」

そんなこと、言われたら襲いたくなるだろ

再び、口づけをする

七「ちょっと待って!!」

土「待てない!!」

七「本当に心臓がどうかなりそう!!」

土「怖いか?」

七「怖くないよ」

土「初めてじゃないんだろ?」

七「好きな人とは、初めてだよ」

土「俺のこと、好き?」

七「うん、好き」

土「俺も、好き」


やっと、気持ちを確かめ合えた

「ちょっと待って」を何度もくらって

俺達は、一晩ゆっくり少しづつ体を重ねた


土「幸せにする」

七「幸せだよ/////」


土「もっと幸せにする」

七「もったいない」


土「は?」

七「土方さんは、皆を幸せに出来るから
私は、今ちょうどいいの!!
これ以上は、もったいない!!だめ!!」


コイツの頭の中、他人のことばかりだよな


土「そんなとこも好きだけどな」

七「ちょっと、待って!!」


背中の傷を触っただけで、これだ…


面白半分で、手を止めずに傷をなぞる


七「ちょっと、待ってってばぁ!!」


涙目で訴える必死さも可愛い


土「はいはい」


頭を撫でてやると

猫みたいに気持ち良さそうにする


幸せにする


俺は、七重を幸せにする



七重、ずっと一緒にいような












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