*武士の花*~花は桜木、人は武士~
2人は、庭に降りた



襖が開けたままなので、全員が2人を見守る

声は、全く聞こえない


土「弘吉と慶太郎は、察しがついてんのか?」

弘「まったく?慶太郎は?」

慶「俺も… 俺を進めたのにさ、なんで?
アイツみつけたって言ってたのに
まだ花魁やる意味ってなんだ?」

弘「え?みつけたのか?」

慶「聞いてなかったのか?」

弘「おう、だから、投げやりなのかな?」


こっちの2人の会話に興味がいってしまう



近「渉~!!
なんでもっと早く言わないんだ!!
可愛そうに!!辛かったな!!偉いな!
俺が、渉の味方だからな!!忘れるな!
太夫でも、なんでもなるがいい!!」



は?




すげぇ、号泣してんだが?




渉「あははっ 近藤さん…大丈夫?」

戻ってきながら、会話する2人


近「納得の行く内容だった!!
渉を新選組へは、入れん!!
これは、決定事項だ!!歳!渉の事は、諦めろ!!渉は、渉は…ううっ」

渉「泣くほどでは、ないでしょ?ふふっ
やっぱり、近藤さんに聞いて貰ってよかった!俺もスッキリした!!
これで、太夫として、花道を堂々と歩けるな!!」

弘「いいのか?」

渉「今まで通りだよ!馴染みは、ひとり出来るみたいだけど」


「「「「「えええええ」」」」」


渉「はははっ!大丈夫!
体は、求めない約束だから!
桜が太夫になって、初めての馴染みにしてくれたら、身請けは、諦めるってさ!
なんか、見栄はりたいらしいよ」





軽々とそんなことを、他人事のように言う


皆とガヤガヤ話している渉を

近藤さんは、悲しげに見ていた



近藤さんに、そんな顔させる内容だったんだな…







渉の気持ちを考えず、俺の気持ちを押しつけた


見守るしかねぇのか?

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