*武士の花*~花は桜木、人は武士~
~桜太夫~


花魁であれ、太夫であれ、身の回りの物は
自腹

椿と買い物へ出掛けた日

弘吉と茂平に、付き添いをして貰っていた



スッ




恐ろしい場面が、見えた



「茂平、椿太夫と先に帰っておくれ」


2人を帰らせ、弘吉と2人歩く

恐らく新選組の巡察する経路は、この辺だったはず

「弘吉、新選組が巡察しているはずだから、呼んできて」

「なんでだ?」

「早く!」




俺が見たのは、今あとをつけてきた3人の浪士が、椿と茂平をここで、斬る場面

囮になって、皆を助けよう

斬られても、弘吉が拾ってくれる

浪士も、新選組が捕まえてくれる




「よぉ……桜太夫じゃねぇか!」


白々しく近寄ってくる



「何の用どす?」

動き安くするため、下駄を脱いだ


「いいことしようかってなぁ~」

「へっへっへっ大人しくしろよ?」

「叫んだりしたら、どうなるかなぁ」


3人は、刀を向けてきた


太夫ひとりに3人ともが、抜刀って

情けない


「どうなるんやろなぁ?
ええことって、なんやろなぁ?」


タッ   地面を蹴る


グイ   1人をひねり倒し、刀を奪う


ドカッ  峰打ちし、失神させた


「こういうことやろか?」


2人に刀を向けた



まさか、太夫が強いとは、思ってないだろ


動きにくいけど、勝てるかも






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