幼なじみはアイドルの先輩
だけど、私たちは恒例の撮影の時まではウルウルしてもその先はダメと誓い合ってるのでこらえて、こらえて、こらえました。


この1枚は節目の1枚になりそうだ。


「終わったね……。最後に締めの挨拶誰かにしてもらおうかなあ」


麗奈の思惑のないつぶやきにみんな敏感に反応し、視線がゆっくり、ゆっくり私に向けられた。


「…………これは?」


「ジャンケンより、この中で1番偉い人が締めるのが常識だと思います」


藍が言うと、何で説得力ある理屈になるんでしょう?


「お願い」


百合が手を絡めて顔を傾けて寂しげに見つめられたらもうノックアウトだ。


「では……。今日も楽しかったです。麗奈は来年から新たな道を歩んでいくけど、辛いときは後ろを振り向けば私たちがいるよ。集まるのはこれで終わりじゃない。来年も再来年も集まるから。絶対集まるからね」


私も力が入り過ぎてやや涙声になった。


麗奈はそんな私を見てやっぱり涙腺が決壊しちゃった。


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