幼なじみはアイドルの先輩
ママがおもむろに立ち上がった。


掃除のチェックか…………と思ってたらトイレだった。


つくづく雑煮を食べてなくてよかった。


「トイレットペーパー替えの入れとかないとダメよ」


この程度のダメ出しなら安心だ。


「で、何だっけ?」


「どうして仕事続けるって決めたの?」


「いろいろあるけど、ママがいないとどうしてもダメな後輩がいるの。その後輩は優秀で今いろいろ教えてるんだけど、ホント甘えん坊でね。その子が任せてくださいと自分から言うまで辞められない。ママが必要ですって声がなくなったら辞めようと決めた。あなたも職業柄似たようなこと起きてると思う」


社会の先輩にこれでもかとズバリ指摘された。


「辞めるか辞めないか迷ってるのもおじさんに聞いてる。最後は杏が決めることだけど、考えがまとまらなければ、ママの真似しなさい」


「…………ありがとう。参考にする。」


迷路の出口がわずかだけ開いたような気がした。


お腹がすいてきたから、ママにまた雑煮を作ってもらった。


選抜メンバーとしての最初で最後の冬。


そして、自分の周りを見つめ直す冬。


体力つけて出口を見つけ出すよ。





< 2,010 / 2,020 >

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