幼なじみはアイドルの先輩
「具合はどうだ?」


「今年はめっちゃ絶好調ですよ……まだ3月ですけどね」


自嘲気味に微笑む愛結にいたたまれなくなってくるんだよ。


「私のわがままを聞いていただいてありがとうございます」


「俺に出来ることと言ったらこれくらいしかな……プロデューサーのくせに力ねえなあ」


これでいいのか正直迷ってるんだ。


愛結の命の灯火を早く消し去る片棒を担いでいるんじゃないかと。


愛結の両親も主治医も引退を勧めていた。


現に幹部連中も遠回しにそう愛結に迫ってた。


それでも愛結は首を縦に振らずグループに在籍したいと久留米に涙ながらに訴え続けた。


愛結のことをすでに見限ってた久留米は面倒くさそうに俺に丸投げしてきた。


ずっと保留状態だったが、杏の問題に絡めて決断した。


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