幼なじみはアイドルの先輩
狙われるには最高のシチュエーションだと思う。


外灯は少ないし、人影ないし、待ち伏せには文句なしの環境だし。


私もここまでなのか……。


「この手は誰ですか?」


せめて気休めに言いたかった。


恐らく、この後私はもう……。


「あたしっすよ〜」


この間の抜けた声はまさか……。


サッと振り向いたら、ひかるがいるじゃないですか。


「やっほ〜」


「なんでいるの?」


「近くに用事あったから来ちゃった」


「……ひかる!ホントにもう……」


追っかけと思ってたから、ひかるってわかると緊張の糸がぷつりと切れてしまった。


「え!ゆかり?もしかして泣いてんの?」


ひかるの手を握ってドアを開けて強く閉めて鍵をかけた。


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