幼なじみはアイドルの先輩
人影がほとんどないのも変わらないしな。


公園だったところは、誰も利用してないのか草木が生い茂って、蜘蛛の巣がいたるところに張り巡らされてる。


田舎の哀愁漂う風景を横目に目的の家のインターホンを押した。


『はーい』


「俺です」


何も返事せず、中からバタバタと慌ただしい音が。


「どうも」


「どうぞ」


ぶっきらぼうな応対に思えるのは俺だけか?


そうだよな。普通の感覚の人間は元嫁の自宅に元旦那が押し掛けるってないよな。


都会に悪い意味で染まっちまったな。


「いいのか?入っても」


「あたし1人だと意外と寂しいのよ。無駄に広いから」


いきなりストレート打ち込まれたぞ。


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