ブルーハート 色んな恋心の短編集
戦争が始まる前までオレは生まれた街で、親父から引き継いだ居酒屋を経営してた。

店の名前は
希望亭

今のオレから言わせれば、なんとも皮肉った名前だったよ。

店は、カウンター席が6席、座敷が2席。
小さな店だったが 、贔屓にしてくれる常連のお客さんで賑わい、いつも満席だった。

といっても、しょせんは常連のオヤジどもが相手だ。

チビリチビリと飲みやがり料理なんて食べやしない、だから全然儲かってなかったがオレは満足だった。
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