お前、可愛すぎて困るんだよ!
全校生徒が全員集まっているような、そんな状態で。



妃莉は、大声で叫んでしまった。



「碧くんは、妃莉の碧くんなんだから――っ!!」



……って。



そのときは……。



“碧くんにとって大事な人は、妃莉にとっても大事な人”だから……。



そう思ったことなんて、消しとんでいた。



誰かの碧くんもイヤだけど。



みんなの碧くんも、もっとイヤ。



妃莉だけの碧くんじゃなきゃイヤってことしか……。



考えられなかった。

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