二百文字小説【小さな玉手箱】
《17.夜食は何?》

 受験勉強中に母が入ってきた。

「お月さまが奇麗よ」

「そんな暇ない。夜食つくって」

 今日は十五夜だそうだ。

 けれど有名大学に入るんだ。気晴らしをしていたら集中が途切れる。

 他の奴だって努力している。成績が負けている僕は、更に頑張らないと駄目だ。

 頬を膨らませて出ていった母が夜食を持ってきた。

 盆の上に皿がひとつ。何かと思ったら目玉焼きだ。

 マヨネーズで文字が書いてあった。

 『勉強がんばって! これが今日のお月さまよ』
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