二百文字小説【小さな玉手箱】
《48.100点》

 先生は言う。百点をとりなさいって。

 百点をとった子は褒められる。偉いなって。

 私は駄目な子。頑張っているのに百点がとれない。

 転校ばかりで授業が変わるからかな。

 けれど誰も頑張ってるねって言ってくれない。

「昨日の金魚当番は誰がした?」

 それは私なので手をあげた。

「すごく奇麗に磨いたな。今までで一番だぞ」

 この学校で褒められたのは初めてだ。嬉しいな。

 百点って勉強だけじゃないのかも。

 よし、明日もたくさん頑張ろう。
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