二百文字小説【小さな玉手箱】
《47.極秘の冬季競技》

 今年も決勝まで残ることが出来た。飼い慣らしから始まり、大袋運びや忍びこみで勝ちあがった。

そろそろ引退とも言われたが、プライドを懸けてやってきたことだ。今年も絶対に負けたくない。

 決勝用の赤い衣装に身を包み、スタート地点にソリを出す。

 小雪が降る中、司会がマイクを手にして叫んだ。

「決勝は毎年恒例のプレゼント配りです。誰が一番、世界中の子供たちに配ることが出来るのか。では、サンタクロースさんたち頑張って」
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