二百文字小説【小さな玉手箱】
《73.気遣いエスコート》

 塾に行っていた息子が帰ってきた。

 妻が友達と旅行中なので、男二人の食卓になりそうだ。

 そんな時に外から独特の笛の音が。

「チャルメラだ。外に出るか」

 息子を誘って行くと、近所の奥さんも出てきていた。

「こんばんは」

 挨拶をする奥さんの隣には、息子と同年代の娘さんが。

 人数分のどんぶりを持つ手が危なっかしい。

 その娘さんに息子が右手を差し出した。

「手伝うよ。俺が持っていく」

 やるじゃないか。応援するが勉強も頑張れよ。
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