初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
(18)挙式当日

柚希side-

昨日は何もせず、二人でキングサイズのダブルベットで明日に備えて就寝した。
朝食後は別れ、俺はタキシードを着込み、新郎の控室で挙式の時間を待っていた。

「そのタキシード似合ってるぞ。柚希」

車椅子に乗る爺ちゃんが俺のタキシードの裾を引っ張る。

「ありがとう爺ちゃん・・・」

「次はひ孫だぞ。柚希」

「お義父さん・・・柚希と眞彩さんに甘い新婚生活を送る時間を与えてください・・・」

「・・・そう言われても・・・わしにはもう・・・」
爺ちゃんは父さんの言葉に語尾を濁して俯いた。

爺ちゃん自身、俺も辛いけど、そう長くないと悟っていた。

< 176 / 249 >

この作品をシェア

pagetop