初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
「そうか…我が病院はまた一人の少女の命を救ったコトになるな。
彼女は十七歳。十六歳以下なら、もう少し難手術として加点が高かったのにな・・・」
高木院長の言う加点とは、四つの学会で構成されている心臓血管外科専門医認定機構が出すガイドラインの評定基準の話。

「君は新婚さんで、相馬祐早斗様の病状も悪い。今は大変な時期だと思うが、専門医の認定試験を受けてもいいだろう…どうだ?相馬君、受けるつもりないか?」

高木院長が勧めるのは、心臓血管外科医の技術向上の為に設けられた若い医師向けの認定試験だった。
俺自身、認定基準をある程度クリアしていた。

「年内とは言わない。来年でも・・・いいぞ」

高木院長の口調が強かった。


< 204 / 249 >

この作品をシェア

pagetop