魔王のオモチャ





『どうした?
もう舐めなくていいんだぞ

お前はもう悪魔なんだから』








『ま、魔王…っ!
なんか…ぼ、僕…っ!』













なんでだろう

なんで、こんな感情が……













『あなたがすごく欲しい…っ!』












魔王……

魔王が欲しいよ…




血も欲しいけど…

あなた自身が欲しくて堪らない…っ!











『フッ……
俺の心はやらねぇよ

さあ、魔界に行くぞ
お前の仲間を紹介してやる』









『ああ…そんなの後でいいのに…』













僕は頬を膨らませて
魔王を見つめたが、魔王は何も感じない様子だった














『早く帰らねぇと、アイツらがうるせぇんだよ

仲良くしろよ?』








『そいつら、魔王のこと好き?』








『ああ…まあ、忠誠誓ってるからな…?』








『へぇ……

うん!僕、仲良くするよ!』












魔王の命令だから仲良くするよ
だけど……

僕の魔王ってことを分からせてからね…?




まずは、そうだね……

キモい昆虫でも、そいつらの部屋に忍ばせてやるか…













『おい、行くぞ』




『あっ、待ってよ、魔王〜』













魔王の前では、イイ子を演じないとね…?


魔王の、一番は僕なんだから……














そうして僕は、悪魔になって

愛する魔王に忠誠を誓った




< 159 / 226 >

この作品をシェア

pagetop