魔王のオモチャ






『あっ、そうだ!
この子たちには、凍ってもらおうかな?

邪魔されたら困るし〜』






『『『なっ……!』』』










サビトさんは、どこかから銃?みたいなものを出し

ギーラたちに向けて、冷却スプレーみたいなものが放たれた


ギーラたちは、サビトさんの行動に驚き
避けることが出来ず全身凍ってしまった











『ふぅ……
これで、邪魔は入らないかな〜?』




「な、何して………」









なんで、ギーラたちを凍らせたんだ…!?







『それにしても……
やっぱり、人間のトヨは良いね〜

すっごく美味しそうな匂いがするよ〜
少しだけ……少しだけならいいよね?』





「ん………っ!」











サビトさんは、いきなりトヨの首筋に噛みつき、血を飲んでいた

トヨは気を失っているせいで、抵抗出来ず黙って血を飲まれていた









「サビトさん、止めろ!!
トヨが死んじまう!」









出血多量で死んじまうよ…っ!









『おおっと〜
危ない危ない

あの人に渡す前に
トヨを殺しちゃうとこだった♡』





「あ、あの人…………?」










俺がそう言った瞬間……





バンッ……!!






部屋の扉が開き、多勢の武装した人たちが入ってきた










な、なんだ…!?

なんだ…っ!?










「勇者様と、その仲間の皆様……
世界を救ってくださり、本当にありがとうございます」










この声……

どこかで聞いたことがあるような……









俺は、声のする方に目を向けると……

扉から、煌びやかなドレスを身に纏った…


女王様が出てきて
俺らに近づくと、頭を深々と下げてきた








「じ、女王様…っ!?
なんでここに…っ!?」





「えっ…!?あ、あれが女王様!?
まあ、綺麗だな……

でも、俺はニーナちゃんの方が好きだな〜?」





「ちょっと離れてください!
ど、どうなっているのですか!?勇者様!」








俺だって聞きたいよ!
なんで女王様がここに…!?








『はい、女王様〜
これが魔王だよ〜

安心して、完全に人間になってるから
鎖に繋いでおけば、何も出来ないよ〜』






「魔導士サビト……
あなたにも感謝します」









サビトさんは、トヨを女王様に渡すと
女王様は、近くにいた兵士にトヨを渡し担いでもらっていた








な、なに……!?

本当に何がどうなっているんだ!?









『あそこにも、君の好きそうなイケメンたちがいるけど……どうする?

あの子たちも人間にさせること出来るよ?』





「いえ。私は、この方だけで十分ですわ

この方を見た後では、他の男なんてカボチャにしか見えませんもの」





『言うね〜
まあ、仕方ないか

トヨは世界一の美貌の持ち主だから…ね?』





「勇者様とその仲間の皆様……
後ほど、我が城に来てください

お礼を致しますわ


では……」









女王様は、そう言うと
トヨと多勢の兵士を連れて、部屋から出て行った










『じゃあ、僕も帰るよ〜
面白いものも見れたし〜

あっ。光くん!
元の世界に戻りたかったら言ってね〜?


いつでも、元の世界に戻してあげるから〜♡
じゃあ、またね〜♡』









サビトさんは、そう言うと……
身体が透明になっていき、消えた










『終わったわね、勇者……
長かったわ……

やっと、あの魔王を倒せたのね……』






「シャーナ………」






『勇者……


今日は、どこかで休み疲れをとって

明日、女王様の城に行き
褒美を貰いましょう』






「えっ…?あ、ああ……そうだな…」










本当に、これで良かったのか……?



トヨは、どうなったんだ……?

女王様は、トヨを民衆の前で処刑すると前に言ってたが……



本当にそうなのか……?



サビトさんとの会話……

なんか変だったんだよな……










俺は、嬉しそうに笑っているシャーナと
氷づけにされているギーラたちを横目に見ながら

これで正しいのか?と疑問に思った







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