魔王のオモチャ

魔王は魔王







〜 ギーラ 視点 〜










『魔王………』



「なんだよ」









魔王は、いつもの自分の玉座に座って
僕たちを睨んでいた


僕は、声をかけたが……
不機嫌な声で返事が返ってきた









こ、怖い………

だ、だけど……っ!



この話をしないと……









『ま、魔王……
ま、魔力……はどうするの…?

今の魔王は、人間だから……
他の悪魔たちが人間の魔王を確実に狙ってくるよ……』









今の魔王は………

悪魔のときより、魅力的だ



僕たちは、理性がギリギリの状態でいる

僕たちがそんな感じなんだ

他の悪魔たちなんて、魔王を見たら


すぐにでも襲いかかるよ……っ!!









「………………魔力……
クソッ…俺がもう一度人間になるなんて…!!

こんな脆い身体じゃ……
何も出来ねぇ……」









魔王は、拳を握りしめて
悔しそうな顔で唇を噛んでいた










や、ヤバい……

ヤバいよ……っ!



今の魔王………

ホントにヤバい……!




魔力とかそんなんじゃなくて……

み、魅力的すぎて……ヤバいよっ////!!




悔しそうな顔………

か弱い魔王………


や、ヤバい……っ!り、理性が…っ////!





お、襲っちゃ…だ、ダメかな……?

あー、ダメダメ…っ////!!



そんなことしたら、嫌われちゃう!!

それだけは嫌だ!!









『ま、魔王……っ////!!
わ、私が魔王を守ってあげる!!

野蛮な悪魔たちから
私が守ってあげる!!』










マーリは、魔王の元に駆け寄ると…
魔王の腰に抱きつき、僕らを指差して言った









だ、誰が野蛮な悪魔だって…っ!?

それは、お前だろ!!オカマ野郎!!









『魔王……!
こんな奴等信用すんじゃねぇぞ!!

コイツらの企みは分かってんだ!
魔王のご機嫌をとって、魔王とあんなことやこんなことをするつもりだぜ、絶対!!』









ブランは、マーリの身体を引っ張り
魔王から離れさせようとしていた









『ちょ…っ、変なこと言わないでよ!!
それはあんたの企みでしょう!?

魔王!気をつけて!
コイツ、魔王を抱こうとしてるわよ!』





『てんめ!
ち、違う。違うぞ、魔王!!

俺は、ただ
魔王が寂しがらないように、ずっと俺が傍にいてやろうと……っ!


人間になって、悲しんでるお前を見たくなくて……
俺が、お前を心も身体も抱きしめてやろうと……っ!』









コイツらぁ……っ!!









『ま、魔王!!
僕だけだよ!魔王のことをきちんと考えてるのは!!

コイツら、馬鹿なことしか考えてないよ!!



あっ、そ、そうだ!!

僕の血を飲めばいいんだよ!!


そしたら、魔力が戻って
悪魔として復活出来るよ!』










そうだよ!!

魔王に僕の血をあげればいいんだよ!!


これで全て解決するよ!!








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