同・棲・同・盟!

フラフラと立ち上がった私は、日田さんから目がそらせない。

・・・本物の日田さんだよね?
またすぐ会えて嬉しいけど、それ以上にビックリして・・・。

「な、なんで・・ここに!?私、また何かヘマをやらかしたんですか?それとも何か重要なものを忘れた、とか・・・」

私が聞いている間に、日田さんはズンズン歩いて、あっという間に私との距離を縮めた。

「忘れ物、か。ったくおまえは・・・大島」
「は、い」
「おまえが俺のことを、単なる面倒見の良いオヤジ上司としか思ってないことは分かってる」
「・・・・えっ!!ちょ、ちょっと待ってくださいっ?あの・・日田さん?私のことを・・・年が離れすぎて、その・・恋愛対象として見てないって、あのとき・・」
「あぁ?おまえ・・・・ちゃんと聞いてたか?聞いてねえだろ!」
「うぎゃーっ!ごご、ごめっ、すみませーんっ!!でもっ!廊下の隅っこでお話されてたから、きっとプライベートな会話されてるんだろうなぁと思ってお邪魔はできなくて!それでその・・・ぅ、電話のお相手は、ジム仲間の彼女さんみたいだったし。もう行こうと思ったけど、つい・・・途切れ途切れに、会話が聞こえて・・・いえっ!聞いてしまって!だからえぇ、もう私、黙った方が良いですよね、はぃ」

神妙な面持ちで、チラッと仰ぎ見るまでもなく、日田さんは大ウケしていた。

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