同・棲・同・盟!
私のお顔チェックを終えた日田さんは、ほんの数秒であっけなく手を離したけれど、離し際、「今日は送る」と小声で言ってきた。

「えっ!?いや。そこまで日田さんにしていただかなくても、私はひとりで帰れます・・・」
「どうやら俺の新居は、おまえんちの通り道らしいから」
「あ・・・あああぁ、そう、ですか。って、そういえばそうでしたねっ!」
「・・・大島」
「はいーっ!?」
「物忘れ激しいところも全然変わってないな」
「・・・ハハッ」

日田さん、絶対私のことを女として見てない!
渇いた声で笑った私は、心の中でシクシク泣いた。

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