同・棲・同・盟!
モモさんと山本さんは、私が日田さんのことを好きだと知っているからか、ニマニマしながら日田さんと私を見ている・・・ような気がする。

う~、私の視線がキョロキョロさまよう・・・。

「“でも”とおまえは言うけどな。他に行くあてがあるのか?」
「あ。えぇっと・・・・・・」
「良かったわねっ、沙緒里ちゃん!」
「お姉さんたちも一安心だわよぅ」
「え?あの、えっと・・」
「それじゃ、今からこいつの必需品を買いに行くので、俺たちはこれで失礼します」
「はい?必需品って?わっ!待って、日田さん・・・っ!」

二人のレディースにニッコリ笑って、ジェントルマンな魅力をふりまいた日田さんは、スムーズにその場を収めた。
そして、白いハイブリットカーの方へスタスタと歩き出した日田さんを、私は追いかけるようについて歩く。

でも、途中、「日田さーん!」とモモさんに呼ばれた日田さんは、ピタッと立ち止まって、クルッとモモさんの方へふり向いた。

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