モデル姉さんのファンは弟くん
「とりあえず乾かし……ぶっ……くくっ」
「そんなに笑わなくても…。」
ムッとした顔でふくれている。
「くくっ…ごめんって。」
女の前でこんなに笑ったの初めてかも。
玲蘭と一緒にいると、もっと知りたくなる感じ。こんなやつ初めてだから。
べつに玲蘭だからというわけではなくて。
そうやって何度も自分に言い聞かせる。
言い聞かせないと…なんか、違う答えが出そうだから。
「衣装の人が残ってんのみたから、ちょっと聞いてくるから待ってて。」
さっきの撮影のスタイリストを見つけて、服を借りて戻った。
…ん?玲蘭の話し声?
「めちゃめちゃ早くない?大丈夫だった?」
電話か…?
「現場から学校までタクシーで数分だったからね!これこそ不幸中の幸い!テストもみんな午前で終えてるから僕だけでやりやすかったんだ!」
は?なんであいつがいんの?
「3教科だけだったし、早く終わらせちゃった!お姉ちゃんに早く会いたいから頑張ったの!」
「わぁ本当に?3教科を1時間ちょっとでやったの…?さすが圭だね。」
「それよりお姉ちゃん、服湿ってない?」
「あ、そうな…「おい。しゃべってねぇで早くこれに着替えてほしいんだけど。」
あぁ〜なんなんだろ。
なんだかものすごくイライラするわ。
「あ、ごめんなさい!…着替えてきます!」
「ねぇ。ジロジロお姉ちゃんのこと見ないでもらえる?」
こいつから睨まれんの、もう慣れた。
「ふっ…お前何様なの、本当。」
「こっちのセリフだけど。」