どこまでもパラレル
別の高校へ通う直矢と出会ったのは高校三年の夏だった。
予備校の特定の志望校を目指す夏期特別講習でたまたま隣に座った直矢と挨拶を交わすようになり、短期の講習が終わる頃には偶然ではなく隣に座って講習を受けるようになっていた。
あの人の笑顔は、真っ直ぐに飛び込んでくる。
私はたぶん恋に落ちていたのだと思う。
それまでの私にとって、男子は馬鹿で下品な存在でしかなかった。
だから、私は、それが恋ということに気が付かないまま夏期講習を終えてしまった。
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