Chat Noir -バイオハザー度Max-




浩一が出て行った出入り口を眺めて、私は―――


ひっそりと泣いた。




ごめんね浩一。


浩一はいいやつだよ。でもそれは男としてじゃなくて





親友として。




大好きだよ、友達として。


でも浩一がそれ以上望んで、浩一が望む関係じゃなかったら一緒に居られないのなら



私はもう浩一の隣に居られない。



さよなら。



一粒涙を流すと、一つ想い出が消えていく。


楽しかったこと、苦しかったこと…


全部、全部―――



消えてなくなっちゃう。



零れてなくなっちゃわないように私は必死に目元を押さえて涙を堪えた。




―――





「ぐすっ」


ちょっと鼻をすすって「研究室に戻らなきゃ…」一つ呟いて立ち上がる。


後輩くんだって帰りが遅くて不審に思ってるかもしれない。


まだ涙で濡れている目元を拭いながら医務室を出ようとすると


「あ」


慌てたような溝口さんとばったり遭遇した。





< 337 / 465 >

この作品をシェア

pagetop