Chat Noir -バイオハザー度Max-
変なの。私の部屋に男の子が居る。
浩一は何度も来たことがあるけど、あれは男のうちに入らないし、そもそも二人きりってことはなかった。
いつも涼子と三人だったし。
元彼だって―――この部屋に一度も入れたことのない私。
何でか自分の部屋に入って欲しくないんだ。
特別汚くしてるわけじゃないけど、でも自分の内側に入れたくないって言うか。
テリトリー意識っての?
そう言う意味では私もネコっぽいのだろうか。
でも、黒猫にはうちに来て欲しいってずっと願ってた。
願ってたけど―――
「何これ、スルメ?かじりかけだし…」
テーブルに転がったスルメの残骸(私がかじった痕がしっかり残っている)…を手でつまみ上げ、黒猫はしげしげ。
ぅわっ!
一番見られたくないものを一番最初に!?
「ま、あんたらしいっちゃらしいけど」
苦笑を浮かべながら床に腰を落とす黒猫。どうやら引かれてはいないようだ。
てか黒猫も私の生態を知り尽くしている節があるから、今更って感じかも。
「ちょうど良かった。おやつにもらうね」と言って私のかじった後のスルメをマイペースに口に入れてるし。
やっぱネコなだけあってスルメが好きと見える。
私はそんなマイペース黒猫の横におずおずと腰掛けた。
どこに座ろうか最初悩んだけど、何か向かい側って他人行儀な気がしたし。
そもそも私は黒猫に近づきたかったのだ。
呼んでも知らんぷりで自由きままなネコ。
だけど私の黒猫は―――
逃げることもせずにじっとそのままだった。