EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
「絶対あれ青薔薇の王子だよ!ファンだからわかるもーん!」
「あたし王子に入れよう」
結構ファンが見に来ていたらしい。
この時、フェオドールへの票がグンと伸びた。
「……俺はどうすればいいんだ…?」
服をちゃんとし終えたフェオドールが誰にともなく問い掛ける。
すると白魔がフェオドールの服を引っ張った。
「このままコンテストに出てれば良いんだよ。君のアピールタイムは終わったから後は立ってるだけさ」
「そうか…」
素直に従う彼を見送りつつ、小鳥はまだ残っているイケメンの相手に戻った。
(けど、やっぱりフェオさんを間近で見ちゃうと他の人が普通に思えちゃうよ…)
恐るべし、フェオドールのイケメンフェイス。
おかげで小鳥はあまりドキドキせずに最後まで役目をやり切ることができた。
さて、結果は断トツでフェオドールが一位だった。
二位が白魔、三位が氷河となり、賞品はもちろん優勝者のフェオドールに贈られた。
「やみびと温泉…?行けるのか?」
チケットを貰ったフェオドールの目がキラキラと輝いている。
「フェオさん、温泉好きなんですか?」
「…好き、というか……ここの温泉にはなかなか行けないから…嬉しい」
なかなか行けない理由。
それは――。
「この温泉は、地上にあるんだ」