EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】

ところで彼女には現在、困ったことが一つ。

「あの、フェオさん」

「ん…?」

「そろそろ離れてくれると…その……助かるんですけど」

フェオドールの膝上に座らされ、後ろからギュッと抱きしめられている小鳥。

ソファーから立ち上がりたくても立ち上がれない状況に困り顔だ。

「ああ、すまない。もうそんな時間か」

「え?」

「食事の支度をするんだろう?」

手を離してくれたので立ち上がると、華やかに微笑むフェオドールに見上げられて小鳥は不意打ちを食らったような感覚を味わった。

「あ、はい…。よくわかりましたね。言ってないのに…」

「わかる…。いつも、見てるから」

確かに最近、視界にはしょっちゅうフェオドールが入っていたような気がする。

小鳥が思い出していると、会話を聞いていた白魔が警告を発した。

「気をつけてね、小鳥。フェオドールの悪い癖が始まりそう」


(悪い癖…?)


それは一体なんなのか。

今の小鳥にはまだわからなかった。





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