EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
10


†††


 結局、音楽愛好家のパーティーには一人で出席した白魔。

握っていたメモリースティックも使い道がなくなったのでフェオドールに返した。

それから、何事もなく数日が過ぎ…。


「終わったー!!休みだ!温泉だ!」

無事にルカの歓喜の叫びが居間に響く日を迎えた。

そう、長期休暇の始まりだ。

「ていうか夏に温泉行くのか?普通冬じゃね?」

カロンが漏らした疑問に対し静理がフッと笑う。

「夏も良いものだよ。お客が少なくて落ち着ける」

貸し切りか!と騒ぎ始めたルカとカロンをオーレリアンが鬱陶しげに睨みつける横で、小鳥はフェオドールに気になることを尋ねた。

「温泉までどうやって行くんですか?確か地上…ですよね?」

「多分、車で移動する。もちろん夜中に」

聞けば地上の屋敷の方に車庫が存在し、八人乗りの黒い自動車があるのだとか。

「明日出発だから、みんな荷物の準備をしておくようにね」

まとめ役の静理に言われ、それぞれ頷いたのだった。






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