EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
さて、その日の就寝時刻。
息子を寝かしつけて隣の寝室から戻ってきた小鳥は、ソファーに座って寛いでいるフェオドールから直球な質問を受けて戸惑った。
「泣いていたの?」
「え?ノエルが、ですか?」
「いや…君が…」
「わ、私?」
「ミロから聞いた。君が、俺がちっとも家事を手伝ってくれないと言っていたと…」
「た、確かに言いましたけど、あれは…」
「別にいい。その発言に怒っているわけじゃない。むしろ君の意見を知ることができて嬉しいんだ」
フェオドールは小鳥を自分の隣に座らせ、抱き寄せる。
「君は頑張り屋さんで、俺に我が儘を言わないから……。今日みたいに不満がある時は遠慮なく言ってほしい。君を支えたいんだ。……夫、なんだから」
彼の囁きには珍しく恥じらいも含まれていた。
自分のことを「夫」と声に出すのは流石のフェオドールでも恥ずかしいらしい。
「はい、ありがとうございます」
そんな彼を可愛く思いながら笑顔を浮かべる小鳥。
「じゃあ早速、我がまま言っても良いですか?」
「うん。どうぞ」