EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

何をわかれと言うのか。

静理の「お願い」とやらは小鳥の耳に虚しく響いた。

君の側にずっといる、と嬉しい言葉を言われたはずが、それはまるで静理にとっての牢獄だと気づいてしまったから。

「それは……罪滅ぼし、ですか?」

「……それだけではないけれど、否定はしないよ。俺は君の、罪人だから」

この時、小鳥は確信した。


(あぁ……私は、静理さんのことを……)


罪悪感で縛りつけてしまった。

どれだけ小鳥が「気にしないで」と言ったところで、無駄だろう。

静理は一生、小鳥のことで責任を感じて生きていくのだ。

小鳥の隣で。


(こんな、つもりじゃ……それに、私は)


どうせ一緒にいてくれるなら、罪悪感からではなく「好きだから」という理由が良かった。

罪人だから、なんて悲しすぎる。

「私が赦すって言っても、納得しませんか……?」

「納得……できないよ。俺が俺自身を赦せない」

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