EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
運命のセンタク
†††
「私は……白魔さんがいいです」
「え!?小鳥、正気!?」
「おいおい、まさかの大魔王かよ」
「小鳥ちゃんて…変わってるね」
「ハッキリ悪趣味だって言ってやれよ静理。メスブタは男を見る目ないんだから」
「この選択を後悔しないのか?マドモアゼル」
散々な言われようだが、裏を返せば皆、自分が選ばれなかったことにショックを受けているだけなのだ。
他の兄弟が選ばれたって似たような反応をするだろう。
さて、当人の白魔はというと――。
「まさか…小鳥が僕を…!」
頬を紅潮させて驚き顔。
どうやら本人もビックリしているようだ。
「嗚呼、僕のプリマドンナ!嬉しいよ!ありがとう…!」
ソファーから立ち上がると、白魔は背後から小鳥に近寄った。
そして肩を包み込むように抱きしめる。
「白魔、くれぐれも小鳥ちゃんにナイフを向けないように。それだけは言っておくよ」
「わかってるさ、父上」
ジェラルドをうっとうしげに見遣り、白魔はニヤリと笑う。
本当にわかっているのか心配になったのでジェラルドは小鳥にこう言った。
「小鳥ちゃん、白魔をよろしく頼むよ」
「え…?私が、ですか?」
「ああ。しっかり白魔の手綱を握っておくれ!」
「えっ!?」
よろしく頼まれるのは自分の方ではなかったか。
ちょっと不安になってしまった小鳥だった。
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