EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
(えっ?何!?)
命令された瞬間、小鳥の身体はその場で石のように固まった。
(身体が、動かない!?)
驚いている間に白魔がポチの口をガシッと掴む。
「ランベルト!ペットの躾くらいしときなよ!」
ポイと投げて飼い主に返却すると、彼は小鳥に向き直った。
「ああ、ごめんね。大声出して。もう動いても大丈夫だよ」
途端、解放されたように身体の力が抜ける。
小鳥はホッとして手足を動かした。
(今のは…なんだったの…?)
白魔の怒鳴り声に驚いて反射的に固まってしまっただけなのだろうか。
(そうだよね…。ビックリして固まっちゃったんだ。きっと)
「ポチ~!ワタシより先に人妻リトル・バードへご挨拶だなんてダメじゃないか!」
「回収したならさっさと部屋に戻りなよ。邪魔」
小鳥は深く考えずに追い返されるランベルトと白魔の背中を眺めたのだった。