EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】


†††


 毎日のように「愛してる」の言葉をシャルロットからもらった。

カロンにとって、母親からのそれは言わば「すりこみ」で。


(どんなにヒドく拘束されようが“愛してる”の一言で全部許してた俺って、今思えばめっちゃ寛大だったよな)


しかし、気づいた。

ジェラルドに嫌われた!と叫ぶ半狂乱の母親に首を絞められた時に。


――おれのことが本当にダイジなら、どうしてこんなことするの…?


答えは簡単だ。


(俺はお袋にとって“生きてなくちゃいけない存在”だった。ただそれだけだ。マジで愛されてたわけじゃない)


ジェラルドに嫌われたら繋ぎとめるための道具(自分)の存在なんてどうでもよくなる。

だから平気で首を絞めて八つ当たるし、もしそのまま死んだとしても構いやしなかったのだ。


(結局は、生き延びちまったけど)


そこでカロンは苦笑する。

「あんたは、どうなんだ…?」

柩の中、隣で眠っている小鳥の髪を指で優しく梳いてやる。


(俺はお袋を憎んだ。あんたも俺を憎むのか?)



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