EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】
「平気だよ。まだ痛むけど、ちゃんと血を摂取したから命の危険はなくなったし。安静にするだけなら家でもいいじゃない?」
ニコニコしながらのほほんと話す蜜莉。
本当にもう大丈夫そうだ。
「そんなら、俺達も戻るぞ。蜜莉んち」
「えっ?ミッつんの家にですか?」
「ぐでねこ、忘れてきた」
「あ…!」
蜜莉の部屋に放置してきたままのぬいぐるみ。
思い出して小鳥もカロンの後を追いかける。
「カロン、小鳥。泊まってきなよ」
去り際に蜜莉が誘ってくれたが、カロンは断るようにヒラヒラと手を振った。
「今回は遠慮しとく。存分にいちゃつけよ」
そして小鳥達は蜜莉と千恵だけを残して廊下へと出た。
「なあ、あんたもさ……プロポーズとかされたら嬉しいか?」
「え…?」
コツコツとゆっくり歩きながらカロンがふとこぼした言葉に小鳥が目を見開く。
「いや……何でもない…。てかプロポーズって男からするもんなのか?」
「あ……どうなんでしょう…?多分、一般的には男の人から…だと思いますけど」
「ふーん…」
それきりカロンは黙り込んでしまった。
何かを考えるような表情で。