EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】
13


†††


 それから一週間ほど経ったある日のこと。

まだ長期休暇中なので、クラヴィエ家の兄弟達は居間でゴロゴロ寛いでいた。

唯一カロンだけが仕事で出掛けている。

もちろん小鳥はお留守番であり、触り心地の良いぐでねこぬいぐるみを抱きしめながらルカの隣でテレビを見ていた。

画面に映っているのはバラエティー番組に単独出演している蜜莉だ。


(良かった。ミッつん、元気そう)


傷もすっかり良くなり、普段通り仕事もできる。

蜜莉はとても順調そうだ。


「ごめん、そろそろニュースにしていいかな」

静理が小鳥の顔を見る。

「あ、はい。どうぞ」

「えー。ニュースとか、つまんないじゃん」

ルカがブーブー文句を言うも、一時間近く弟の見たい番組に付き合ってあげたのだ。

静理は問答無用でチャンネルを変えた。


「あ、カロンさん…!」

丁度やっていたのは芸能ニュース。

そこになぜかカロンが映っている。

「なんでカロンが?」

ルカが首を傾げると、画面下にパッとテロップが表示された。

《カロン・クラヴィエに婚約者が!?ファン号泣》



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