EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】
続いて、報道陣に囲まれているカロンが画面に映る。
『カロンさん!この写真の女性とはどういったご関係で!?』
『恋人なんですか!?』
『以前、ペットとおっしゃっていた女性ですよね!?』
次々と記者から質問を飛ばされてうっとうしげな表情をしていたカロンだが、彼は堂々と言った。
『あ?おー。あれ、俺のフィアンセな』
『フィアンセ…?婚約者なんですか!?』
『一体いつ婚約を!?』
『では人間の女性とご結婚なさるということですか!?』
『…何?なんでこんな噂になってんの?結婚式ならまだだけど』
なぜかドヤ顔でカロンがそう答えた次の瞬間。
ヒュン――。
物凄いスピードで飛んできたナイフ三本がテレビ画面に突き刺さり、画面が割れた。
「おい~、テレビ壊すなよ白魔!」
「ごめん。なんかイラッときて、つい」
ルカと白魔の会話を聞きながら静理もボソリと呟く。
「確かに…俺もちょっとイラッときたかな」
その横でフェオドールが独り言。
「カロン…余裕そうだった」
「ほっとこうよ兄様」
(カロンさん…バレちゃって大丈夫なのかな…?)
仕事に支障がでないか、気掛かりだ。
小鳥は不安げな溜息を吐き出した。