彼に惚れてはいけません
求め合うこと。
満たされること。
愛されて愛されて、私も負けずに愛したいって思う。
初めてがたくさんで、どうしていいのかわからないくらいに
愛してる。
大好きだよ。
「コーヒーでも飲みますか」
真夜中のベッドの上。
いつの間にか眠っていた私達。
青く光るデジタル時計の文字は、3:15だった。
真夜中に香るコーヒーの匂いに幸せを感じながら、目を閉じる。
これから、何回キスをするのかな。
どのキスも忘れたくないけど、何万回もしちゃうと忘れちゃうんだろうな。
「はい、どーぞ」
「ありがと」
ベッドの上で飲むコーヒーは格別だった。
大好きな人がいれてくれたコーヒー。
「由衣を誰にも渡したくないって思った」
目が慣れてきて、暗闇でも吉野さんの横顔が見える。
「ありがと」
「でも、束縛とか嫉妬とか、そういうのはできればしたくないと思ってる」
いつもより低く感じる声。
「そうだね。私もそう思ってるけど、多分しちゃうような気がする」
「俺も。自信がないよ」
ふたりで、コーヒーの香りを楽しむようにキスをした。
穏やかな時間の中で、吉野さんの心の中を覗けた気がした。
嫉妬していいよ。
束縛だってしていい。
人間だもん。
大丈夫。
私は絶対裏切らない。
ずっとずっと、ひとりだけを愛す自信がある。
吉野さんの寝顔を見つめながら、溢れるような愛を感じていた。