彼に惚れてはいけません

出会いの場所から

―出会いの場所から―

その次の日の朝。

幸せすぎると、あんまり眠れないんだね。

朝、早く目覚めてしまって、私は仕事が始まる前にあのカフェへと向かった。
私の大好きな朝の癒しの空間。

最近行ってなかったあの場所。

あの出会いの場所へ行って、あの日を思い出したかった。

何度も何度も思い出したあの出会いの瞬間。

鼻が高くて、フランス人みたいな横顔。
ビシっと決まったスーツ姿。


カフェラテを飲みながら、目を閉じていると、妄想の中から声が聞こえた。


「エスプレッソ、できるだけ濃い目で」

私の妄想って声も聞こえるんだぁ。

と思っていると隣でガタンと音がした。


目を開けると、そこには鼻の高い横顔が見えた。

かっこいいのに、大あくび。

エスプレッソを一口飲み、手帳を広げたかと思うと、テーブルに顔をくっつけて・・・・・・寝ちゃった。


私の存在にも気付かずに、寝ちゃった吉野さん。

相変わらず、よだれ垂らして。

垂れ目がかわいい。

目じりのしわも好き。
全部好き。



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