彼に惚れてはいけません
「店に入ってきたときから、素敵な人だなって思いました」
「ほほう。そうか。俺も、スマホでも忘れてやろうか、と考えながら帰ったから、ボールペンを忘れていた。ボールペンはわざとじゃないけどな」
「そうなの?私のことちゃんと覚えてたの?寝てたのに」
「まぁな。こんな優しい子がいるんだなって感動した。スマホ忘れてたらどうなってたかな、俺達」
「さすがにスマホだったら、店員さんに渡してたと思うよ」
懐かしいあの日を振り返りながら、私達は遅くまで飲んだ。
どの瞬間も大切で忘れたくない思い出の1ページだった。