彼に惚れてはいけません

カニのように横歩きしながら、中村さんに見つからないように店を出る。

バレてはいないようだったので、安心していたのに吉野さんがチラチラ見ていたので、何度も目が合ったらしい。

中村さんには絶対にバレずにこの恋を進めたいと本気で願っているのに。


「じゃ、また」

「うん、じゃあ、仕事頑張ってね」

「眠いから昼寝でもしよっかな。良かったら、由衣もどう?あそこにちょうどビジネスホテルが見えるなぁ」

「もうっ!ちゃんと働きなさい」

こうして、私達の30分の秘密のカフェタイムが終了した。

別れ際の、手の振り方が、かっこよくて、何度も何度も思い出して頭の中でリピートした。

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